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グロチウスの自由海論の批評

## グロチウスの自由海論の批評

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西欧中心主義に基づく主張

グロチウスの『自由海論』は、ポルトガルによるインド航路の独占に対抗し、オランダの東インド進出を正当化するために書かれたという側面を持ちます。そのため、ヨーロッパ諸国による植民地獲得や交易を正当化する論理として利用されたという批判があります。

具体的には、グロチウスは海洋を「人類共有の財産」としながらも、先占の概念を導入することで、ヨーロッパ諸国が新大陸やアジアに到達し、領有することを正当化しました。これは、ヨーロッパ中心的な歴史観に基づいた主張であり、非ヨーロッパ諸国の視点が欠如しているという指摘があります。

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国際法の未成熟さ

グロチウスは『自由海論』において、自然法に基づいた海洋の自由という概念を主張しました。しかし、当時の国際法は未成熟であり、国家間の紛争を解決するための明確なルールや制度は存在しませんでした。

そのため、グロチウスの主張は、現実の国際関係を十分に反映したものではなく、理念的な側面が強いという批判があります。実際、グロチウスの主張が直ちに国際的な秩序に反映されることはありませんでした。

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