## クンデラの冗談の原点
小説の執筆のきっかけ
ミラン・クンデラは、1965 年に “Literarni noviny” という新聞のインタビューで、自身の小説「冗談」について、”totalitarian kitsch”（全体主義的なキッチュ）への反発から生まれたと語っています。
「冗談」の着想
クンデラは、プラハ・カレル大学で美学と映画を学んでいた1948年から1950年にかけて、共産主義政権を批判する内容のポストカードを友人に送ったことが原因で、大学から追放され、強制労働に従事させられました。この時の経験が、「冗談」の重要なモチーフとなっています。
作品の舞台設定
「冗談」は、1950年代のチェコスロバキアを舞台としています。この時代は、スターリン主義の影響下で、言論の自由や思想の自由が厳しく制限されていました。
登場人物の背景
主人公のルドヴィークは、クンデラ自身と同様に、共産主義政権によって人生を狂わされた人物として描かれています。彼の皮肉的な冗談は、抑圧的な体制に対する抵抗の表れとして解釈することができます。
「冗談」の出版と反響
「冗談」は、1967年にチェコスロバキアで出版されました。しかし、翌年の「プラハの春」の終焉とともに、クンデラの作品は発禁処分となり、彼は国外に亡命することを余儀なくされました。