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ギボンのローマ帝国衰亡史の評価

## ギボンのローマ帝国衰亡史の評価

史料批判の観点からの評価

ギボンの「ローマ帝国衰亡史」が刊行された18世紀後半は、歴史学においても近代的な史料批判が台頭してきた時代でした。ギボンはこの著作の中で、膨大な量の古代の文献や碑文を駆使し、その多くを注釈で引用しながら自説を展開しました。これは当時の歴史書としては画期的であり、後世の歴史家に多大な影響を与えました。

歴史叙述における評価

ギボンは、ローマ帝国の衰退と滅亡を、単なる政治的・軍事的出来事としてではなく、文化、宗教、社会、経済など、多角的な視点から分析しました。特に、キリスト教の隆盛がローマ帝国の衰退に影響を与えたとする見解は、当時のキリスト教社会において大きな議論を巻き起こしました。彼の叙述は、修辞的で皮肉を交えた特徴的な文体で知られており、その文学的価値も高く評価されています。

現代における評価

「ローマ帝国衰亡史」は、刊行から2世紀以上経った現代においても、ローマ帝国史研究における古典として読み継がれています。しかし、その内容は、18世紀後半という時代の制約や、ギボン自身の歴史観に影響を受けている点も指摘されています。例えば、彼のキリスト教に対する批判的な視点は、現代の歴史学では偏っていると考えられています。また、史料解釈や歴史的事実に関する誤りも、その後の研究によって明らかになっています。

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