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キケロの義務についての話法

## キケロの義務についての話法

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対話形式

「キケロの義務について」は、キケロが息子マルクスに宛てた手紙の形式をとっていますが、実際には公開を意図した著作であり、**対話形式**で書かれています。これは、ストア派のパナイティオスの「義務について」を基にしながらも、キケロ自身の見解を明確に示すために採用された手法と考えられています。

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語りかけ

キケロは、随所で息子マルクスへの語りかけを挿入しています。これは、単なる手紙の形式的なものではなく、読者に対して語りかけるような親近感を生み出し、論点を強調する効果を持っています。また、マルクスを対話者に見立てることで、自問自答を繰り返しながら論理を展開していく様子が表現されています。

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豊富な引用と事例

キケロは自身の主張を裏付けるために、ギリシャ哲学はもちろんのこと、ローマの歴史や文学、政治、法律などから豊富な引用と事例を挙げています。これにより、抽象的な倫理観を具体的に分かりやすく説明するとともに、読者に対して強い説得力を与えています。

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明快なラテン語

「キケロの義務について」は、古典ラテン語の規範とされるほど、明快で洗練された文体で書かれています。修辞技法を駆使し、リズム感と力強さを兼ね備えたキケロの文体は、読者の心を捉え、内容を深く理解させることに貢献しています。

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