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キケロの義務についての仕組み

## キケロの義務についての仕組み

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義務の源泉

キケロは、義務の源泉を自然法に見出します。自然法は、人間の理性によって認識できる、永遠不変の道徳法則です。彼は、人間を含む全ての存在は自然の一部であり、自然には理性的な秩序があると信じていました。そして、この秩序に調和して生きることが、人間の幸福と善につながると考えました。

義務は、この自然法から導き出されます。自然法は、私たちに何をするべきか、何をすべきでないかを指示します。例えば、自然法は、他者を尊重すること、約束を守ること、不正を避けることなどを命じます。これらの命令に従うことが、私たちの義務となるのです。

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義務の分類

キケロは、義務を大きく二つに分類しています。

1. **完全義務 (officia perfecta)**:常に守らなければならない義務。例:約束を守る、嘘をつかないなど。
2. **不完全義務 (officia imperfecta)**:状況に応じて守るべきかどうか判断する必要がある義務。例:慈善行為、恩返しなど。

さらに、キケロは、義務の衝突について考察し、どのように対処すべきかについて論じています。彼は、複数の義務が衝突する場合、より重要な義務を優先すべきだと主張します。そして、義務の重要性は、それがどの程度自然法に根ざしているかによって決まると考えました。

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義務と徳

キケロにとって、義務を果たすことは、単なる規則に従うことではありませんでした。彼は、義務を果たすことを通じて、人間は徳を cultivate し、より完全な存在へと成長していくことができると信じていました。

キケロは、四つの主要な徳 (知恵、正義、勇気、節制) について論じています。そして、これらの徳は、義務を果たすことと密接に関係していると主張します。例えば、知恵は正しい判断を下し、正義は公正に行動することを可能にし、勇気は困難に立ち向かう力を与え、節制は欲望をコントロールすることを可能にする、と彼は述べています。

このように、キケロにとって、義務と徳は不可分のものでした。彼は、義務を果たすことは、人間がその本質である理性に従って生き、徳を育み、真の幸福を実現するための道であると信じていたのです。

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