## キケロの弁論術についての評価
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古代における評価
キケロの弁論術は、古代ローマにおいて高く評価され、雄弁家を目指すものにとって必須の教科書として広く読まれました。 クインティリアヌスは『弁論家教育』の中でキケロを理想の弁論家像として称賛し、その文体を高く評価しています。 また、キケロの著作は修辞学の教科書としても使用され、その影響は中世からルネサンス期にまで及びました。
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近代以降の評価
近代以降、キケロの弁論術は、その実用性と文学性の高さから、依然として高い評価を受けています。 特に、論理的な思考力や説得力を養うための教材として、現代の教育現場においても活用されています。 一方で、古代ローマの社会状況や政治体制を色濃く反映していることから、現代社会における実用性に疑問を呈する意見も存在します。
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キケロの弁論術の特徴
キケロの弁論術は、単なるテクニック論ではなく、雄弁家としての資質や倫理観についても言及している点が特徴として挙げられます。 キケロは、弁論家は単に雄弁であるだけでなく、教養豊かで倫理観に優れた人物であるべきだと主張しました。 また、聴衆の心を動かすためには、論理的な構成や巧みな言葉遣いだけでなく、感情に訴えかけることも重要であると説いています。