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キケロの弁論術についての思想的背景

## キケロの弁論術についての思想的背景

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ギリシア弁論術の影響

キケロの弁論術は、古代ギリシアの弁論術、特にイソクラテスやデモステネスといった雄弁家たちの影響を強く受けています。彼は、ギリシアの弁論術理論を深く研究し、そのエッセンスを吸収しようとしました。

特に、イソクラテスの重視した幅広い教養と洗練された文体は、キケロの弁論観に大きな影響を与えました。 キケロは、優れた弁論家は単に雄弁であるだけでなく、哲学、歴史、法律など幅広い知識を備え、それを巧みに駆使することで説得力のある演説を行うことができると考えました。

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ローマの政治・社会状況

キケロが活躍した共和政末期のローマは、政治的にも社会的にも混乱した時代でした。権力闘争が激化し、弁論は政治的な武器として重要な役割を担っていました。キケロ自身も、弁論家として政治の舞台で活躍し、その経験を通して独自の弁論術理論を構築していきました。

当時のローマでは、ギリシア文化の影響が強く、ギリシア弁論術はすでに導入されていました。しかし、キケロは、ギリシア弁論術をそのままローマ社会に適用するのではなく、ローマの政治・社会状況に合わせて、より実践的な弁論術を体系化する必要性を認識していました。

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