## キケロの友情についてと作者
キケロについて
キケロ（紀元前106年 – 紀元前43年）は、古代ローマの政治家、文筆家、哲学者でした。雄弁家、文筆家として非常に高く評価されており、その著作はラテン語散文の模範とされ、後世に多大な影響を与えました。
『友情について』について
『友情について』（De Amicitia）は、キケロが紀元前44年に執筆した哲学対話篇です。この作品は、キケロ自身の経験や哲学的考察に基づいて、友情の本質、価値、維持に必要な要素などを論じています。
作者と『友情について』の関係
キケロは『友情について』を、親しい友人であったティトゥス・ポンポニウス・アッティクスに宛てて執筆しました。キケロはアッティクスとの友情を非常に大切にしており、作品の中で彼への深い愛情と敬意を表しています。
作品背景
『友情について』が執筆された紀元前44年は、ローマが内乱によって揺れていた激動の時代でした。キケロ自身も政治的な混乱に巻き込まれ、親友であったポンペイウスがユリウス・カエサルとの戦いに敗れて亡くなっています。キケロはこの作品の中で、不安定な社会状況においても変わらない友情の価値を訴え、読者に慰めと励ましを与えようとしました。