## キケロの共和国についての話法
### 対話形式
『国家論』と同様に、『キケロの共和国』もプラトンの著作に倣い、対話形式で書かれています。主な語り手は、ローマの政治家、法律家、哲学者であったマルクス・トゥッリウス・キケロ自身です。彼は、共和政ローマの理想と原則について、他の登場人物と議論を交わします。
### 登場人物と設定
対話は、紀元前129年、スキピオ・アエミリアヌスの庭園で、数日間にわたって行われます。登場人物には、スキピオ自身、ガイウス・ラエリウス・サピエンス、ルキウス・フリウス・ピルス、マニウス・マンリウスなどが含まれます。彼らは、政治、哲学、歴史など、幅広いテーマについて議論します。
### 修辞技法
キケロは、彼の他の著作と同様に、『共和国』においても優れた修辞技法を駆使しています。彼は、比喩、反語、擬声語などを用いて、自身の主張を強調し、読者の心を動かします。また、歴史上の出来事や人物を例に挙げながら、自身の主張を裏付けています。
### ストイック哲学の影響
『キケロの共和国』は、ストア派哲学の影響を強く受けています。特に、自然法の概念、徳の重要性、理性に従うことの必要性などが、著作全体を通して強調されています。