ガルブレイスの新しい産業国家を読む前に
経済学の入門書を一冊読んでおく
ガルブレイスは経済学の大家ですが、彼の著作は入門者向けに書かれているわけではありません。経済学の基本的な概念、例えば需要と供給、市場メカニズム、政府の役割などを理解しておくことで、『新しい産業国家』の内容をより深く理解することができます。入門書としては、スティグリッツの『入門経済学』、クルーグマンの『ミクロ経済学』、マンキューの『マクロ経済学』などがおすすめです。
20世紀半ばのアメリカ社会についてある程度知っておく
『新しい産業国家』は、1960年代のアメリカ社会を背景に書かれています。当時のアメリカは、第二次世界大戦後の好景気に沸き、大企業が経済力を増大させていました。ガルブレイスはこのような状況を批判的に分析し、「企業国家」という概念を提示しました。当時のアメリカの社会状況、特に経済状況について知っておくことは、ガルブレイスの主張を理解する上で非常に重要です。
「テクノストラクチャー」という概念について予習する
「テクノストラクチャー」は、ガルブレイスが提唱した重要な概念の一つです。これは、企業において意思決定を行う専門家集団のことを指します。従来の経済学では、企業は資本家によって支配されていると考えられていました。しかしガルブレイスは、現代の大企業においては、専門知識を持ったテクノストラクチャーが大きな影響力を持つようになっていると主張しました。「テクノストラクチャー」という概念について事前に理解しておくことで、『新しい産業国家』の核心部分によりスムーズに入っていくことができるでしょう。