## ガルブレイスの不確実性の時代と時間
経済学者、ジョン・ケネス・ガルブレイスは著書「不確実性の時代」を1977年に発表しました。
この著作は、現代社会における経済予測の困難さを論じたもので、特に以下の3つの要素が予測を困難にしているとガルブレイスは指摘しました。
1. 企業の巨大化と市場支配力の増大
ガルブレイスは、現代経済においては大企業が巨大化し、市場支配力を強めていることを指摘しました。従来の経済学では、多数の企業が競争することで価格が決定されるとされていましたが、現実には少数の巨大企業が価格や生産量をコントロールするようになっているとガルブレイスは主張しました。このため、市場メカニズムに基づいた経済予測は困難になっていると彼は論じました。
2. テクノロジーの進歩の加速
20世紀後半以降、テクノロジーの進歩は加速的に進展しました。このテクノロジーの進歩は、経済構造や人々の生活様式を大きく変容させました。しかし、テクノロジーの進歩は予測が困難であり、その影響を事前に正確に見積もることは不可能に近いとガルブレイスは指摘しました。
3. 政治と経済の相互依存関係の深化
現代社会において、政治と経済は相互に深く依存し合っています。政府の政策は経済に大きな影響を与え、逆に経済状況は政治に影響を与えます。このため、経済予測を行うには政治状況を考慮する必要があり、その逆もまた然りです。しかしながら、政治状況は経済状況と同様に予測が困難な要素であり、これが経済予測をさらに複雑にしているとガルブレイスは論じました。