## ガルブレイスの不確実性の時代
不確実性と経済予測の限界
ジョン・ケネス・ガルブレイスは、1977年に出版した著書『不確実性の時代』の中で、経済学における予測の限界と、不確実性が社会に与える影響について論じています。彼は、従来の経済学が、完全な情報と合理的な行動を前提とした均衡モデルに偏っていることを批判し、現実の経済は常に不確実性に満ちていると主張しました。
テクノロジーと組織の巨大化
ガルブレイスは、20世紀後半の高度技術社会において、大企業や巨大組織が経済活動の中中心的な役割を果たすようになっていることを指摘しました。そして、これらの組織が、市場メカニズムだけでは制御できないほどの巨大な力を持つようになり、政治や社会にも大きな影響を与えるようになっていると論じました。
計画経済と市場経済の融合
ガルブレイスは、資本主義社会においても、政府の役割がますます重要になっていることを指摘し、計画経済と市場経済の融合が進んでいると主張しました。彼は、政府が、社会福祉、教育、医療などの分野で積極的に介入することで、不平等を是正し、経済の安定を図ることができると論じました。
情報と権力の非対称性
ガルブレイスは、高度情報化社会において、情報へのアクセスが権力と密接に関係していることを指摘しました。彼は、大企業や政府機関が、一般市民よりもはるかに多くの情報を持っているため、情報格差が生じ、権力の不均衡が拡大していると論じました。