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カントの実践理性批判の感性

## カントの実践理性批判の感性

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感性と悟性

カントは、人間の認識能力を大きく二つに分けます。一つは感性、もう一つは悟性です。感性は、外部からの刺激を受け取る能力、いわば「受動的な認識能力」です。外界の事物はこの感性を通して認識されますが、感性はあくまでも感覚的材料を提供するのみであり、それ自体では対象を概念的に把握することはできません。

一方、悟性は、感性が受け取った感覚的材料を秩序づけ、概念的に把握する能力、すなわち「能動的な認識能力」です。悟性は、12のカテゴリーと呼ばれる概念を用いることで、雑多な感覚的材料を統一し、客観的な認識を可能にします。

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時間と空間

時間と空間は、カントにおいて重要な役割を果たします。カントは、時間と空間を、外界に実在するものではなく、人間の感性が事物を受容する際の「先天的形式」だと考えました。時間と空間は、我々が外界の事物を知覚する際の枠組みとして機能します。

感性は、時間と空間という形式に従って外界からの刺激を受容します。そして、悟性は、時間と空間の形式の中で与えられた感覚的材料をカテゴリーを用いて秩序づけ、認識を成立させます。

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感性と道徳法則

『実践理性批判』において、感性は、道徳法則の認識において直接的な役割を果たすものではありません。道徳法則は、経験的なものではなく、理性の実践的な能力から生じるものだからです。

しかし、感性は間接的に道徳法則の実現に関わってきます。なぜなら、我々は感性的な存在でもあり、欲望や快楽に影響されるからです。道徳法則に従って行動するためには、感性に由来する欲望を制御し、理性に従う必要があります。

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