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カントの判断力批判の感性

## カントの判断力批判の感性

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感性と悟性

カントにおいて、感性は対象を認識するための能力のうち、感覚的直観を可能にする受動的な能力です。外界からの刺激を受け取ることで、我々は感覚的データとしての表象を得ます。この表象は時間と空間という感性の二つの純粋直観形式によって構造化され、我々は対象を時間的・空間的に捉えることができます。

一方で、悟性は感性によって与えられた表象を概念を用いて思考する能力です。悟性は能動的に概念を適用することで、多様な表象を統一し、対象について概念的に認識します。

カントは感性と悟性をはっきりと区別し、感性なくしては認識は始まらず、悟性なくしては認識は完結しないとしました。

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感性と美的判断

『判断力批判』において、カントは美的判断、特に美的判断における快の感情が、感性の働きと深く関わっていると主張します。

美しいものに対して感じる快の感情は、対象の概念やその有用性とは無関係に生じます。

この快は、感性と悟性という二つの認識能力の調和的な働きから生じるとカントは考えます。美しい対象を感覚的に直観する時、感性は対象の形態を捉えようとします。

この時、感性は悟性に対して、その対象を概念的に把握するよう要求します。しかし、美的判断においては、対象は特定の概念に還元されません。

この、感性と悟性の自由な戯れ、調和的な働きが、美的判断における快の感情を生み出すとカントは考えます。

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感性の超感性的基底

感性は感覚的直観を可能にする受動的な能力ですが、カントは感性の根底に、我々が認識し得ない超感性的な基底があると想定します。

感性は超感性的な基底から影響を受け、対象に対する受容の仕方が個々人によって異なる可能性があるとカントは示唆します。

ただし、超感性的な基底は我々の認識の範囲を超えており、『判断力批判』においてカントは、その詳細については多くを語りません。

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