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カルヴィーノの木のぼり男爵と人間

カルヴィーノの木のぼり男爵と人間

「木の上の人生」を選んだ男爵

イタロ・カルヴィーノの小説「木の上の男爵」の主人公コジモ・ピオヴァスコ・ディ・ロンドは、12歳の少年時代、父親とのいさかいをきっかけに木の上に登り、その後生涯を地上に降りることなく木の上で過ごすと宣言します。彼は、当時の貴族社会の因習や権威主義に対する反抗、自由への強い意志を胸に、自らの人生を木の上という特異な環境に置くことを決意します。

木の上から見た人間社会

コジモは木の上から、地上の世界を冷静かつ客観的な視点で観察し続けます。彼は、貴族社会の滑稽さや矛盾、庶民の生活の喜びと哀しみ、そして人間社会における様々な出来事を、地上の人間とは異なる独自の視点から見つめ、考察を深めていきます。

地上との繋がり

木の上で生活することを選んだコジモですが、地上との繋がりを完全に断つわけではありません。彼は、木の上から狩猟をしたり、読書や文通を通じて知識や教養を深めたり、時には地上の人々と交流したりすることで、社会との繋がりを維持しようとします。

「人間であること」への問い

コジモの特異な生き方は、「人間であること」とは何かを問いかけます。彼は、社会の常識や慣習にとらわれず、自らの意志で生き方を選び、それを貫き通します。その姿は、人間が本来持つべき自由や自立、そして自己実現への道を示唆しているようにも見えます。

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