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カルヴァンのキリスト教綱要と人間

## カルヴァンのキリスト教綱要と人間

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人間の創造

カルヴァンは、人間は神の像として創造されたと説きます。「綱要」では、創世記1章27節「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。」を引用し、人間が神に似せて造られた唯一の存在であることを強調します。

この「神の像」は、知性、意志、聖なる感情といった、神が人間に与えた能力や性質を指します。アダムはこれらの能力によって、神を認識し、神を愛し、神に従って生きることを可能としていました。カルヴァンは、これらの能力こそが人間を他の生物と区別するものであり、人間存在の尊厳の根拠となると考えました。

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人間の堕落

しかし、アダムは神の戒めに背き、楽園を追放されます。これが「原罪」と呼ばれる出来事です。カルヴァンは、原罪によって人間の性質そのものが堕落したと説きます。 知性、意志、感情といった人間のあらゆる能力は、罪によって汚され、神から離れてしまったのです。

「綱要」では、原罪の影響の深刻さを強調します。人間はもはや自力で神に立ち返ることができず、神の恵みのみが救済の道となる。カルヴァンは、人間の堕落を徹底的に描き出すことで、神の救済の必要性を際立たせようとしました。

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人間の救済

堕落した人間を救済するために、神はイエス・キリストをこの世に遣わしました。カルヴァンは、「綱要」の中で、キリストの贖罪の死によってのみ、人間は罪から解放され、神との正しい関係を回復することができると説きます。

しかし、カルヴァンは人間の側に救済を獲得する力は全くないと考えました。救済は、あくまでも神の側の無償の恵み、つまり「予定」によって与えられるものです。人間は、ただ神の選びと救済の業に感謝し、信仰生活を送ることによって、その恵みに応答していくことしかできません。

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