カミュの異邦人の構成

第一部は、主人公ムルソーの母親の死から葬儀、そしてその後、彼が殺人を犯すまでの日々を描いています。ムルソーは、母親の死に対して周囲が期待するような悲しみを見せることなく、むしろ太陽の光や海水浴など、自分の感覚的な快楽に忠実に生きています。

第二部は、ムルソーが殺人を犯した後の裁判と、その過程で彼が直面する社会の不条理を描いています。ムルソーは、殺人の動機を問われても明確な答えを出すことができず、母親の葬儀での態度や、愛人との肉体関係などを問題視され、社会から「異邦人」として断罪されていきます。

この構成は、ムルソーの内的世界と、彼が生きる社会という外的世界の対比を際立たせる効果を持っています。第一部では、ムルソーの視点を通して、彼の感覚的な生のあり方が描かれます。一方、第二部では、社会の視点からムルソーの行動が裁かれ、彼の異質性が浮き彫りになっていきます。