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カミュの反抗者の選択

## カミュの反抗者の選択

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反逆の意義

カミュにとって、世界は不条理である。
世界は人間にとって意味や目的を持っていないにも関わらず、人間は意味や目的を求めてしまう。
この不条理こそが、カミュの哲学の出発点である。

この不条理な世界において、人間はどのように生きるべきなのか。
カミュは、自殺や諦観ではなく、「反逆」によってのみ、人間は尊厳と自由を獲得できると主張する。

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反逆の二つの形態

カミュは、「反抗者」において、反逆には二つの形態があると論じる。

* **形而上学的な反逆**:
不条理な世界そのものに対する反逆。
神や絶対的な価値観を否定し、虚無やニヒリズムに陥る危険性を持つ。
例:カリグロフ、サドなど。

* **歴史的な反逆**:
抑圧や不正義といった、この世界における具体的な悪に対する反逆。
他者の自由と尊厳を守るために闘うことを含む。
例:プロメテウス、ニーチェ、革命家たちなど。

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「反抗的人間」の選択

カミュは、形而上学的な反逆は、最終的には自己矛盾に陥ると批判する。
なぜなら、世界を完全に否定することは、自分自身も否定することに繋がるからである。

一方で、歴史的な反逆は、他者との連帯と共存の可能性を孕んでいる。
カミュは、「反抗的人間」は、自分自身の自由と尊厳を求めると同時に、
他者の自由と尊厳もまた尊重しなければならないと主張する。

「反抗的人間」は、決して完全な解決や勝利を得ることはできない。
しかし、不条理な世界に絶望することなく、
絶えず自由と正義のために闘い続けることを選択する存在なのである。

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