## オットーの聖なるものを面白く読む方法
難解さで有名な書物
ルドルフ・オットーの主著『聖なるもの』は、宗教現象の根源に迫る古典として、今日なお多くの読者を魅了してやみません。しかし同時に、その抽象的な表現や独特の用語法から、「難解で読みづらい」という声も少なくありません。一体どのようにすれば、この魅力的な書物を楽しみながら読み進めることができるのでしょうか。
予備知識は必要?
哲学や宗教学の知識がないと、読みこなすことは難しいのでしょうか?確かに、予備知識があれば、オットーの議論の背景や文脈をより深く理解することができます。しかし、だからといって、専門家でなければ楽しめないわけではありません。重要なのは、予備知識よりもむしろ、「未知なるものに出会う」という開かれた姿勢です。
「ヌミノーゼ」という概念
オットーの中心概念である「ヌミノーゼ」は、理性では捉えきれない、聖なるものの体験を指します。それを理解するためには、頭で理解しようとするよりも、むしろ、彼自身の言葉にじっくりと耳を傾け、そこに表現された感覚を追体験しようとすることが大切です。
具体的なイメージを想像する
オットーは、「畏怖の念」「崇高」「神秘」といった言葉を用いて、ヌミノーゼ体験を表現しようと試みます。抽象的な概念に圧倒されそうになったら、具体的なイメージを思い浮かべてみましょう。例えば、「畏怖の念」であれば、荘厳な寺院や雄大な自然の中に身を置く自分を想像してみるのも良いでしょう。
他の書物も参考にする
『聖なるもの』は決して簡単な書物ではありません。もし途中で行き詰まってしまったら、解説書や関連書籍を参考にするのも良いでしょう。他の学者の視点を取り入れることで、オットーの思想をより多角的に理解することができます。
自分自身の経験と結びつける
オットーは、「ヌミノーゼ」は誰しもが心の奥底に持つ原体験であると主張します。読書を通して、彼自身の体験と自身の経験を対話させてみましょう。幼い頃に感じた不思議な感覚や、畏敬の念を抱いた経験などを思い出すことで、『聖なるもの』の内容はより身近で、興味深いものとなるでしょう。