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オットーの聖なるものの感性

## オットーの聖なるものの感性

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ルドルフ・オットー

とは

ルドルフ・オットー(1869-1937)は、ドイツのルター派神学者、比較宗教学者です。彼は、宗教現象の根源を「ヌミノーゼ」という独自の概念を用いて説明しました。彼はマールブルク大学で神学を修め、1906年から1917年までブレスラウ大学で組織神学の教授を務めました。その後、マールブルク大学に戻り、1929年に退職するまで教授職に就いていました。

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聖なるものの感性

とは

オットーは、1917年に出版した主著『聖なるもの』の中で、「聖なるもの」の体験を、理性や道徳を超えた、人間の根源的な感情として捉えました。彼は、この感情を「ヌミノーゼの感情」と呼び、その特徴を以下のように分析しました。

* **畏怖 (tremendum)**:圧倒的な力や威厳の前に感じる、身震いするような恐怖や畏怖の感情。
* **神秘 (mysterium)**:聖なるものは、人間の理性や言葉では捉えきれない、不可思議で謎に満ちた存在であるという感覚。
* **魅惑 (fascinans)**:恐怖や畏怖を感じながらも、同時に強く惹きつけられる魅力。

オットーは、「ヌミノーゼの感情」は、理性や道徳の起源となる以前の、より根源的な人間の感情であると主張しました。彼は、この感情が、宗教体験の根底に存在し、宗教の起源を説明する鍵となると考えました。

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ヌミノーゼの体験

具体的な自然現象や、宗教的儀礼、芸術作品などに触れることを通して、人間は「ヌミノーゼ」を体験することができるとオットーは考えていました。彼は、特定の場所、例えば山岳地帯や広大な海、深い森などは、人間に「ヌミノーゼ」を感じさせやすいと指摘しました。また、雷鳴や稲妻、嵐などの自然現象も、その圧倒的な力によって「ヌミノーゼ」を喚起するとしました。

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聖なるものの解釈

について

オットーは、「ヌミノーゼの感情」は、あくまでも理性や概念以前の、直接的な体験であると強調しました。彼は、聖なるものを理性的に理解したり、概念的に定義したりすることは不可能だと考えました。

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オットーの思想

の影響

「ヌミノーゼ」の概念は、20世紀の宗教現象学や宗教学に大きな影響を与えました。彼の思想は、宗教を人間の理性や道徳から切り離し、独自の領域として確立する上で重要な役割を果たしました。しかし一方で、その非合理主義的な傾向は、批判の対象ともなってきました。

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