Skip to content Skip to footer

エーコのボードリーノの表現

## エーコのボードリーノの表現

###

語り口

ボードリーノの物語は、一人称視点で語られます。語り手は、タイトルにもなっているボードリーノ自身です。彼は、自身の冒険譚を、架空の人物である「ギリシャ人のニケタス」に語ります。この設定により、物語はボードリーノの主観を通して語られることになり、彼の性格や思想が色濃く反映されることになります。

###

言語

エーコは、ボードリーノの物語を表現するにあたって、独特の言語を用いています。それは、12世紀のイタリア語を模倣したものであり、当時の文化や社会を反映した表現や言い回しが随所に散りばめられています。また、ラテン語やフランス語などの外来語も積極的に用いられており、当時の言語状況をリアルに再現しています。

###

ユーモア

ボードリーノは、非常にユーモアあふれる作品です。ボードリーノ自身の性格も、嘘つきでずる賢い反面、どこか憎めない愛嬌のある人物として描かれています。彼の冒険譚は、奇想天外で荒唐無稽なものばかりですが、その中には風刺や諧謔が巧みに織り交ぜられており、読者を笑いに誘います。

###

歴史との融合

ボードリーノの物語は、12世紀のヨーロッパを舞台としており、実在した歴史上の人物や出来事が多数登場します。しかし、エーコはそれらをありのままに描くのではなく、ボードリーノの視点を通して、独自の解釈を加えています。歴史的事実とフィクションが巧みに融合した世界観は、読者に知的興奮と歴史ロマンを感じさせます。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5