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エーコのボードリーノの仕組み

## エーコのボードリーノの仕組み

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物語の構造

「ボードリーノ」は、12世紀、第3回十字軍のさなか、コンスタンティノープルを舞台に、歴史上の人物である神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世の廷臣ボードリーノが、自身の数々の冒険譚を年代記作家ニケタス・コニアテスに語るという体裁をとっています。物語は、ボードリーノの回想という形で、時系列を無視して語られていきます。

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ボードリーノの語り

ボードリーノは、話好きで、機転が利き、教養も持ち合わせていますが、同時に虚言癖があり、自分の功績を誇張したり、事実をねじ曲げたりする傾向があります。そのため、読者は彼の語る物語の真偽を常に疑いながら読み進めることになります。

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歴史と虚構の交錯

物語には、実在した歴史上の人物や出来事が多数登場しますが、それらはボードリーノの虚言によって脚色されたり、歪曲されたりしています。歴史的事実とボードリーノの虚構が入り混じることで、読者は何が真実で何が虚偽なのかを見極めることが困難になります。

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偽文書の創作

ボードリーノは、自身の虚言を裏付けるために、偽の手紙や文書を捏造することに長けています。これらの偽文書は、物語の重要な要素として機能し、歴史の真実を曖昧にする役割を果たしています。

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語り手と筆記者

物語は、ボードリーノの語りをニケタス・コニアテスが書き留めるという形式をとっています。ニケタスは、ボードリーノの虚言癖に気づいており、彼の語る物語に疑問を呈することもありますが、最終的には彼の物語を書き記すことを選択します。

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多様なテーマ

「ボードリーノ」は、歴史、虚構、真実、アイデンティティ、言語など、多岐にわたるテーマを扱っています。ボードリーノの冒険譚を通じて、これらのテーマが複雑に絡み合いながら描かれています。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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