エーコのボードリーノの主役
ボードリーノ
ボードリーノは、ウンベルト・エーコの小説『ボードリーノ』の主人公であり語り部です。物語は、1204年にコンスタンティノープルが陥落した際、ボードリーノがニケフォロス・ブリエンニオスという歴史家に自身の冒険を語るという形式で進みます。
出自と性格
ボードリーノは1150年頃にイタリア北部のフラスカータ近郊で生まれました。彼は貧しい農民の息子でしたが、幼い頃から利発で、話をでっち上げる才能がありました。1167年、17歳の時にフレデリック1世率いる神聖ローマ帝国軍とミラノ軍の戦いに巻き込まれ、負傷したフレデリック1世と出会います。この出会いをきっかけに、ボードリーノは持ち前の機転と口八丁手八丁を活かしてフレデリック1世の側近となり、その後の人生を大きく変えていくことになります。
物語における役割
ボードリーノは、物語を通して様々な冒険を経験し、歴史上の重要人物と関わりを持ちます。彼は持ち前の機転と虚言癖を駆使して、危機を乗り越えたり、自身の野望を達成しようとします。しかし、彼の行動はしばしば予期せぬ結果をもたらし、周囲の人々を巻き込みながら物語は展開していきます。
特徴
ボードリーノは非常に複雑な性格の持ち主です。彼は頭が切れ、機転が利き、カリスマ性も持ち合わせていますが、同時に嘘つきで、ずる賢く、自己中心的でもあります。彼は自分の利益のために他人を利用することをためらわず、自分の嘘によって引き起こされる結果を軽視することが多々あります。しかし、一方で彼は友情や愛情といった感情も持ち合わせており、時折見せる人間らしい一面が彼の複雑さをより際立たせています。
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