## エーコのフーコーの振り子の関連著作
###
ガリレオ・ガリレイの「天文対話」
「フーコーの振り子」は、地球の自転を証明する装置として知られるフーコーの振り子を中心に、陰謀論やオカルトに傾倒していく人々の姿を描いた小説です。作中には、ガリレオ・ガリレイの「天文対話」が重要なモチーフとして登場します。
「天文対話」は、1632年にガリレオ・ガリレイによって出版された、地動説と天動説を対話形式で論じた書物です。当時主流であった天動説を支持する学者たちと、地動説を唱えるガリレオとの論争が描かれています。
本書は、科学革命の重要な著作とされ、「フーコーの振り子」においても、主人公カゾボンが古書店で手に入れた「天文対話」をきっかけに、物語が大きく動き出すことから、重要な役割を担っています。
###
ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」
「フーコーの振り子」と同じく、ウンベルト・エーコの作品である「薔薇の名前」もまた、歴史と知識が重要なテーマとして扱われています。
14世紀のイタリアの修道院を舞台に、修道士たちが次々と謎の死を遂げる事件を描いた本作では、図書館に隠された禁書の謎が事件の鍵を握ります。
「フーコーの振り子」と同様に、「薔薇の名前」もまた、中世の思想や歴史に関する膨大な知識が織り込まれており、読者を知的探求の旅へと誘います。両作品は、一見すると複雑で難解なテーマを扱いながらも、ミステリー小説としての面白さも兼ね備えている点が共通しています。