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エンデのモモに関連する歴史上の事件

## エンデのモモに関連する歴史上の事件

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東西冷戦

 エンデが「モモ」を執筆した1970年代は、東西冷戦の真っただ中でした。資本主義陣営と社会主義陣営の対立は、世界を二分するイデオロギーの戦いであり、人々の生活にも大きな影響を与えていました。

 作中で灰色の男たちが人々に時間を節約させようとする様子は、資本主義社会における効率性や生産性の追求を風刺しているとも解釈できます。また、灰色の男たちが作り出した管理された社会は、全体主義国家のシステムを彷彿とさせます。

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高度経済成長

 「モモ」が出版された1973年は、日本では高度経済成長期の真っ只中でした。人々は物質的な豊かさを求め、日々の生活は時間に追われるようにスピードアップしていきました。

 これはまさに、灰色の男たちが人々に時間を奪っていく様子と重なります。「時間貯蓄」という名目で人々から時間を奪い、効率化を強要する灰色の男たちの姿は、高度経済成長期の日本社会が抱えていた問題点と無縁ではありません。

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学生運動

 1960年代後半、世界各地で学生運動が活発化しました。既存の社会体制や価値観に疑問を投げかける若者たちは、自由や平等を求めて街頭で声を上げました。

 「モモ」に登場する子どもたちは、大人たちが灰色の男たちに騙されていることにいち早く気づき、モモと共に立ち向かいます。これは、当時の学生運動が持つ、既存の社会に対する純粋な抵抗精神と重なる部分があります。

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情報化社会の到来

 1970年代は、コンピューター技術の進歩により、情報化社会の礎が築かれた時代でもあります。情報は人々の生活を豊かにする一方で、管理や統制の道具として利用される危険性も孕んでいます。

 灰色の男たちは、人々の時間を管理するために高度な情報処理技術を用いていると想像できます。これは、情報化社会における情報管理の危険性を示唆しているとも考えられます。

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