エンデのはてしない物語の光と影
光：ファンタージエンと希望
「はてしない物語」における光は、主にファンタージエンという世界と、そこに宿る希望によって象徴されます。ファンタージエンは、想像力が具現化した世界であり、色彩豊かで、不思議な生き物たちや魔法が存在します。
物語の主人公バスチアンは、現実世界で孤独と絶望にさいなまれています。しかし、ファンタージエンの物語に没頭することで、彼は希望を見出し、自分自身の内面と向き合う勇気を得ていきます。
ファンタージエンの住人たちもまた、それぞれが希望や勇気を象徴する存在として描かれています。
例えば、幼心の君主は、子供のような純粋な心と想像力を象徴しており、彼女の存在はファンタージエンの希望の源となっています。
影：虚無と現実逃避
一方、「はてしない物語」における影は、虚無と現実逃避によって象徴されます。
ファンタージエンを脅かす「虚無」は、人々の想像力の喪失とともに広がり、世界を無に帰していきます。
これは、現実世界における希望や夢の喪失、無関心などを象徴していると考えられます。
また、バスチアンは物語が進むにつれて、ファンタージエンにのめり込むあまり、現実世界から逃避しようとするようになります。
彼はファンタージエンの中で力を持ち、自分の望む通りの世界を創り出そうとしますが、その結果、自分自身の記憶やアイデンティティを失ってしまう危険に陥ります。
これは、想像力が行き過ぎることの危険性、現実逃避の罠を象徴していると言えます。