ウルフの自分だけの部屋の企画書
企画タイトル
自分だけの部屋
執筆の背景および目的
1928年10月、私はケンブリッジ大学の女子カレッジであるガートン・カレッジとニューナム・カレッジで「女性とフィクション」というテーマで講演を行う機会を得た。この講演は好評を博し、その後も内容を深化させながら別の場所で講演を繰り返した。本企画では、これらの講演の内容をさらに発展させ、エッセイとしてまとめることを目的とする。
構成(予定)
本エッセイは、女性が小説を書くために必要なもの、ひいては女性が自立して生きていくために必要なものとは何かを問うものである。
まず、「女性とフィクション」というテーマについて考察するにあたり、女性が小説を書くためには経済的自立と精神的な自由が必要であることを主張する。
その上で、過去の偉大な女性作家たちの作品や人生、そして男性作家たちの女性に対する視点を分析することで、女性が置かれてきた不自由な立場を明らかにする。
さらに、シェイクスピアの妹を例に挙げ、もしシェイクスピアと同等の才能を持った女性がいたとしても、当時の社会状況ではその才能を開花させることは不可能であったことを指摘する。
そして、女性が自由に創作活動を行うためには、「自分だけの部屋」と経済的自立、つまり年間500ポンドの収入が必要であると結論付ける。
想定読者
本エッセイは、主に以下のような読者を想定している。
* 女性の社会進出、特に文学や芸術分野に興味関心を持つ読者
* ジェンダー問題に関心の高い読者
* 教育関係者、学生、研究者
本企画の意義
本エッセイは、女性の社会進出が叫ばれ始めた時代に、女性が直面する困難と、真の自由を獲得するために必要な条件を明確に示すものである。
これは、単に女性作家だけの問題ではなく、すべての女性がより自由に、自分らしく生きるための指針となることが期待される。
また、文学作品を通して社会問題を提起することで、読者の意識改革を促し、より良い社会の実現に貢献することを目指す。