ウエルズの世界史概観の構成
構成
H.G.ウェルズ著『世界史概観』（The Outline of History）は、1920年に初めて出版された人類史を網羅した著作です。 本書は、先史時代から第一次世界大戦後の世界までを扱っており、ウェルズの視点と解釈を色濃く反映した壮大な歴史叙述となっています。
章立て
本書は全42章で構成され、それぞれの章が特定の時代やテーマを扱っています。 以下に、各章のタイトルと簡単な内容説明を示します。
**第一部 生命の記録(The Record of Life)**
* 第1章 はじめに
* 第2章 この惑星地球の形成
* 第3章 生命の出現
* 第4章 動物の出現
* 第5章 脊椎動物の出現
* 第6章 爬虫類の時代、魚類と両生類の時代
* 第7章 哺乳類の時代、鳥類の時代
* 第8章 類人猿の出現
* 第9章 類人猿から人へ
* 第10章 旧石器時代の人間
* 第11章 新石器時代の革命
* 第12章 シュメール人の発明
* 第13章 古代エジプト
**第二部 初期の帝国(The Early Empires)**
* 第14章 アッシリア、バビロニア、フェニキア人
* 第15章 インド・ヨーロッパ語族と中国人の登場
* 第16章 ギリシャの黎明
* 第17章 ギリシャの都市国家
* 第18章 ブッダとアショーカ王
* 第19章 アレキサンダー大王
* 第20章 ローマ帝国の勃興
* 第21章 ローマの勝利と衰退
* 第22章 イエス・キリストの出現
* 第23章 ローマ帝国の衰退とキリスト教の勃興
* 第24章 ムハンマドとイスラム教の勃興
**第三部 封建主義と十字軍(Feudalism and the Crusades)**
* 第25章 ヨーロッパの崩壊
* 第26章 イスラム教文明
* 第27章 封建主義の発生
* 第28章 教皇と皇帝
* 第29章 モンゴル人の襲来
* 第30章 十字軍
**第四部 君主制の興隆(The Rise of Monarchy)**
* 第31章 黒死病と新しい世界
* 第32章 君主制の勃興
* 第33章 ルネサンスにおける芸術と宗教
* 第34章 宗教改革
* 第35章 君主制と宗教戦争
**第五部 革命の時代(The Age of Revolution)**
* 第36章 印刷機の影響
* 第37章 新しい勢力の勃興
* 第38章 アメリカ合衆国
* 第39章 フランス革命とヨーロッパ
* 第40章 産業革命
* 第41章 大戦争(第一次世界大戦)
**第六部 世界の歴史は、世界共和国の歴史になる(The History of the World is the History of World Republic)**
* 第42章 世界平和に向けた展望
特徴
ウェルズの『世界史概観』は、単なる歴史的事実の羅列ではなく、人類史全体を貫く大きな流れを捉え、ウェルズ自身の歴史観に基づいて解釈を加えている点が特徴です。