## ウェーバーの職業としての政治のテクスト
職業政治家と政治に生きる者
ウェーバーは、まず「政治に生きる者」と「政治で生きる者」の区別を行います。「政治で生きる者」とは、政治を収入源とする者を指します。一方、「政治に生きる者」は、政治活動自体に自身の生活の重心を置く者を指します。
職業としての政治の３つの資質
ウェーバーは、政治家として成功するために必要な３つの資質を挙げます。
1. **情熱**：大義への献身、責任感、判断力などが含まれます。
2. **責任倫理**：政治家の行動は結果によって評価されるべきだという倫理観を指します。
3. **冷静な判断力**：権力への距離感、現実的な状況判断力、感情的な興奮への抑制などが含まれます。
暴力の倫理と責任倫理
ウェーバーは、政治における倫理として「暴力の倫理」と「責任倫理」を対比させます。「暴力の倫理」は、目的のためには手段を選ばない考え方であり、結果よりも純粋な動機を重視します。一方、「責任倫理」は、行動の結果に責任を持つべきだという考え方であり、政治家には不可欠な倫理だとされます。
職業政治家のタイプ
ウェーバーは、職業政治家のタイプとして、「官僚」と「指導者」の２つを提示します。官僚は、既存の秩序や規則に従って職務を遂行する存在であり、指導者は、自らの理念やビジョンに基づいて新しい秩序を創造しようとする存在です。
職業政治家における倫理の葛藤
ウェーバーは、政治の現実においては、倫理と権力が対立することが避けられないと指摘します。政治家は、権力を獲得・維持するために、時には倫理的に問題のある行動を取らざるを得ない状況に直面します。この倫理的なジレンマこそが、政治という職業の大きな特徴の一つです。