ウィーナーのサイバネティックスの関連著作
ノーバート・ウィーナーの著作
* **Cybernetics: Or Control and Communication in the Animal and the Machine (1948)**:
サイバネティックスという学問分野を創始した記念碑的作品。生物と機械における制御と通信のプロセスを統合的に理解することを目指し、フィードバック、情報理論、システム論などの概念を駆使して論じている。
* **The Human Use of Human Beings: Cybernetics and Society (1950)**:
サイバネティックスの社会への影響について考察した著作。自動化、コミュニケーション技術、社会組織などを取り上げ、技術進歩が人間社会にもたらす可能性と危険性について論じている。
* **God & Golem, Inc.: A Comment on Certain Points Where Cybernetics Impinges on Religion (1964)**:
サイバネティックスと宗教の関係を探求した著作。人工知能、創造性、倫理などの問題を取り上げ、科学技術の発展が人間の宗教観や倫理観にどのような影響を与えるかを考察している。
ウィーナーに影響を与えた、あるいはウィーナーと関連する人物の著作
* **アラン・チューリング – On Computable Numbers, with an Application to the Entscheidungsproblem (1936)**:
計算機の数学的モデルである「チューリングマシン」を提唱し、計算可能性の概念を確立した論文。ウィーナーのサイバネティックスにも大きな影響を与えた。
* **クロード・シャノン – A Mathematical Theory of Communication (1948)**:
情報理論の基礎を築いた論文。情報の量化、符号化、通信路の容量などの概念を定義し、通信システムの設計に数学的な基礎を与えた。ウィーナーのサイバネティックスと密接に関連している。
* **ジョン・フォン・ノイマン – The Computer and the Brain (1958)**:
コンピュータと人間の脳の構造と機能を比較検討した著作。デジタルコンピュータの設計者であるフォン・ノイマンの視点から、脳の情報処理メカニズムについて考察している。ウィーナーとも交流があり、サイバネティックスの発展にも貢献した。
サイバネティックスの発展に貢献した、あるいは影響を受けた著作
* **W. Ross Ashby – Design for a Brain (1952)**:
生物の学習や適応のメカニズムを、フィードバックシステムの観点から説明しようとした著作。 Ashby は、ホメオスタシスや自己組織化といった概念を提唱し、サイバネティックスの生物学への応用に貢献した。
* **Gregory Bateson – Steps to an Ecology of Mind (1972)**:
コミュニケーション、学習、精神病理などの問題を、サイバネティックスの視点から考察したエッセイ集。 Bateson は、ダブルバインド理論などを提唱し、人間関係や社会システムの理解にサイバネティックスの概念を応用した。
* **Heinz von Foerster – Observing Systems (1981)**:
観察者と観察対象の関係性を重視した、第二世代のサイバネティックスを代表する著作。 von Foerster は、自己言及性や自己組織化といった概念を重視し、社会システムや認識論への応用を展開した。
これらの著作は、ウィーナーのサイバネティックスとその周辺分野を理解する上で重要な文献と言えるでしょう。