## イプセンのペール・ギュントを面白く読む方法
###
１．ペール・ギュントってどんな話？ まずはあらすじを押さえよう！
いきなり原文を読むのはハードルが高い！という方は、まずあらすじを把握することから始めましょう。 ペール・ギュントは、ノルウェーの民話や伝説をモチーフにした、壮大な物語です。 詩的な表現や幻想的な要素、社会風刺などが織り交ぜられ、 一筋縄ではいかないペール・ギュントという人物の波乱万丈な人生が描かれます。
簡単に言うと、ペール・ギュントは、夢見がちで虚言癖のある青年。 村娘のソルヴェイグを置いて、成功を求めて世界を旅します。 トロルや妖精、砂漠の美女など、様々な存在と出会いながら、 権力や快楽に溺れていきます。 しかし、最後は自分の空虚さに気づき、故郷へと戻っていく…というストーリーです。
###
２．登場人物は？ 人間？ トロル？ 複雑な人物関係を読み解く
ペール・ギュントには、個性的な登場人物がたくさん登場します。 ペール・ギュントの母親オーセ、婚約者のソルヴェイグ、山の魔王の娘など、 彼の人生に影響を与える女性たちも魅力的です。
しかし、ただ登場人物を把握するだけでは面白さは半減してしまいます。 この作品の魅力の一つは、人間とトロルの対比です。 トロルは、自己中心的で欲望のままに生きる存在として描かれ、 ペール・ギュントの心の葛藤を象徴的に表しています。
登場人物たちの関係性を読み解きながら、 ペール・ギュントの行動や心理の変化に注目してみましょう。
###
３．詩的な表現に注目！ 声に出して読んでみよう！
ペール・ギュントは戯曲であり、詩的な表現が特徴です。 特に、韻律やリズムが美しく、声に出して読むと、 その魅力をより深く味わうことができます。
有名な「山の魔王の宮殿にて」の場面は、 音楽的な効果も高く、幻想的な雰囲気を盛り上げます。
最初は意味がわからなくても、まずは声に出して読んでみましょう。 言葉の響きを楽しむうちに、作品世界への没入感が高まります。
###
４．時代背景や社会風刺を意識する
ペール・ギュントは、19世紀後半のノルウェーを舞台としており、 当時の社会状況や価値観を反映した作品でもあります。 例えば、ペール・ギュントの放浪は、当時のノルウェー人の海外進出や、 伝統的な価値観と近代的な価値観の対立を象徴しているという解釈もできます。
作品を読み進めながら、当時の社会背景や作者イプセンの思想について調べてみるのも良いでしょう。
###
５．自分なりの解釈を見つけてみよう！
ペール・ギュントは、様々な解釈が可能な作品です。 ある人は、ペール・ギュントを自己実現を追い求める人間の象徴として捉え、 またある人は、自分勝手な男の末路として批判的に捉えるかもしれません。
重要なのは、正解を探すことではなく、 自分なりの解釈を見つけることです。