## イェーリングの権利のための闘争の対極
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「無抵抗の力」について
「イェーリングの権利のための闘争」が、権利獲得のために積極的に闘うことを説いた書であるのに対し、その対極に位置する思想として、**非暴力、無抵抗**を説く思想が挙げられます。
この思想を代表する書物として、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの**「市民的不服従」**や、マハトマ・ガンディーの**「ヒンド・スワラージ」**、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの**「獄中からの手紙」**などが挙げられます。
これらの書物は、いずれも**国家や権力による不当な支配、暴力に対して、非暴力、不服従によって抵抗することの重要性**を訴えています。
例えば、「市民的不服従」の中でソローは、**個人の良心**に基づき、不当な法律や政府の政策には従わず、**納税拒否**などの手段を用いて抵抗する権利を主張しました。
ガンディーは、**真理に基づいた非暴力**の思想を説き、イギリスの植民地支配に対して、**非暴力、不服従**の運動を展開しました。
キング牧師もまた、ガンディーの思想に影響を受け、アメリカの**人種差別**に対して、**非暴力抵抗運動**を指導しました。
これらの思想は、**「権利のための闘争」**という点ではイェーリングと共通していますが、**その手段として暴力を否定し、非暴力、無抵抗を貫く**点で、明確な対比をなしています。