## イェーリングのローマ法の精神の美
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ローマ法の精神とは
ルドルフ・フォン・イェーリングの主著『ローマ法の精神』は、ローマ法の歴史をたどりながら、その根底に流れる精神、すなわち法形成の原理を明らかにしようとした著作です。イェーリングは、ローマ法を単なる過去の法体系としてではなく、近代法の源流となる普遍的な法理念を内包するものとして捉え、その精神を探求しました。
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イェーリングが見たローマ法の美しさ
イェーリングは、『ローマ法の精神』の中で、ローマ法の持ついくつかの側面を高く評価し、その美しさを見出しています。
#### **1. 論理性の美しさ**
イェーリングは、ローマ法体系が持つ緻密な論理性に美しさを見出していました。ローマ法は、長年にわたる法解釈と法実務の積み重ねによって、極めて精緻で論理的な体系を構築しました。イェーリングは、この論理性を「ローマ法の数学」と呼び、その美しさを賞賛しました。
#### **2. 実用性の美しさ**
ローマ法は、机上の空論ではなく、現実の社会生活における問題を解決するために発達した法体系でした。イェーリングは、ローマ法のこの実用性を高く評価し、その実践的な精神に美しさを見出していました。
#### **3. 持続性の美しさ**
ローマ法は、古代ローマにおいて誕生した後、長い歴史の中で幾度もの変遷を遂げながらも、その基本的な精神は現代法にも受け継がれています。イェーリングは、ローマ法がこの様な時代を超越した普遍性を持つ点に美しさを見出していました。
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イェーリングの探求の意義
イェーリングは、『ローマ法の精神』を通して、単にローマ法の歴史を解説するだけでなく、その背後にある法形成の精神を探求することによって、普遍的な法理念を明らかにしようとしました。これは、近代法の基礎を築く上で重要な貢献を果たしました。