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アリストテレスの詩学を読んだ後に読むべき本

アリストテレスの詩学を読んだ後に読むべき本

古典劇入門

アリストテレスの『詩学』は、西洋の美的伝統、特に演劇論において重要な位置を占めています。彼の悲劇論は、プロット、登場人物、思想、言語、音楽、スペクタクルの六要素を分析し、特にプロットを最重要視するなど、後世の演劇に多大な影響を与えました。しかし、『詩学』は古代ギリシャの演劇を前提として書かれており、現代の読者にとっては理解が難しい箇所も少なくありません。

そこで、『詩学』を読んだ後に読むべき本として、古代ギリシャの演劇、特に悲劇について理解を深めることができる古典劇入門書が挙げられます。古典劇の歴史や特徴、代表的な作品とその作者、当時の社会背景や宗教観などについて解説した書籍を読むことで、『詩学』で述べられている内容をより深く理解し、アリストテレスの思想をより立体的に捉えることができるでしょう。

例えば、ギリシャ悲劇の三大詩人であるアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスの代表作をいくつか読んでみることをおすすめします。彼らの作品を通して、アリストテレスが『詩学』で論じた悲劇の構造や効果、観客の感情に与える影響などを具体的に体験することができます。また、ギリシャ悲劇の起源や儀式との関係、当時の社会や文化における役割などについて解説した書籍を読むことも、『詩学』への理解を深める上で有益です。

ハムレット

ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』は、西洋文学の金字塔と称される傑作であり、アリストテレスの『詩学』の影響を色濃く受けている作品の一つです。ハムレットは、父の死の真相を探る中で、復讐心、愛憎、狂気、道徳といった普遍的なテーマと向き合います。

『ハムレット』を読むことで、『詩学』で論じられた悲劇の要素、特にプロットの構成や登場人物の造形が、実際にどのように作品に具現化されているのかを具体的に観察することができます。例えば、ハムレットの葛藤や苦悩、運命に翻弄される姿は、アリストテレスが重視した「ハマルティア」(過失)や「アナグノーリシス」(認識の転換)といった概念を理解する上で格好の教材となります。

また、『詩学』では、悲劇が観客に与える効果として「カタルシス」(浄化)を挙げていますが、『ハムレット』の鑑賞を通して、登場人物たちの悲劇的な運命に感情移入することで、自らの感情が浄化されるような感覚を味わえるかもしれません。

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