## アリストテレスの弁論術を面白く読む方法
### １．難解さにひるまず、現代語訳を活用する。
アリストテレスの『弁論術』は、古代ギリシャ語で書かれた古典中の古典です。現代の私たちにとって、その文章は難解で、読み進めること自体が困難に感じられるかもしれません。しかし、安心してください。現代日本語に訳された良書が数多く出版されています。まずは、それらの現代語訳を手に取ることから始めましょう。原典の厳密な表現にこだわるよりも、まずは内容を理解することに重点を置きましょう。
### ２．現代社会とのつながりを意識する。
『弁論術』は約2400年も前に書かれた書物ですが、その内容は決して色あせていません。むしろ、現代社会においても通じる、普遍的な人間心理やコミュニケーションの本質が鋭く指摘されています。例えば、人の心を動かすための三要素として、
* **ロゴス（論理）**
* **パトス（感情）**
* **エトス（倫理）**
を挙げていますが、これらは現代のビジネスシーンや人間関係においても重要な要素です。
このように、現代社会との共通点を探しながら読むことで、より深く理解を深め、面白さを感じることができるでしょう。例えば、政治家の演説、広告、映画、ドラマなど、あらゆるコミュニケーションに『弁論術』の原則が潜んでいることに気づけるはずです。
### ３．実践を意識して読む。
『弁論術』は単なる理論書ではありません。実際に人を説得し、行動を促すための実践的なテクニックが豊富に記されています。そのため、受動的に読むのではなく、自分だったらどのように活用できるかを常に考えながら読むことが大切です。
例えば、「もしあなたが会社のプレゼンで上司を説得しなければいけないとしたら？」「気になるあの人に告白するとしたら？」など、具体的な状況を想定しながら読み進めてみましょう。
### ４．他の本や資料も参考にしながら、理解を深める。
『弁論術』の内容をより深く理解するために、アリストテレスの他の著書や、弁論術に関する解説書、論文なども参照してみましょう。特に、アリストテレスの思想背景や、当時の社会状況などを知ることは、『弁論術』への理解を深める上で非常に役立ちます。
また、現代のコミュニケーション学や心理学の観点から『弁論術』を分析した書籍も出版されているため、そういった書籍も参考にすることで、多角的な視点を得ることができます。
### ５．自分なりの解釈で楽しむ。
『弁論術』は、長い歴史の中で様々な解釈がなされてきた書物です。正解は一つではありません。大切なのは、自分自身がどのように解釈し、どのように活用するかです。難解な部分や理解できない部分があっても、あまり気にせず、自分なりの解釈で読み進めていくことが、『弁論術』を楽しむための秘訣と言えるでしょう。