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アリストテレスの弁論術を読んだ後に読むべき本

アリストテレスの弁論術を読んだ後に読むべき本

キケロ「弁論家について」

古代ギリシャでアリストテレスが築いた雄弁術は、やがてローマへと受け継がれ、共和政ローマ末期の政治家であり、そしてまた、雄弁家、そして哲学者でもあったマルクス・トゥッリウス・キケロによって、その理論はさらなる発展を遂げました。

「弁論家について」は、キケロが晩年に書き上げた、プラトン流の対話篇の形式をとった雄弁術論です。全3巻からなるこの書は、理想の弁論家を育成するために必要な資質や、修辞技法について、キケロ自身の経験や思想を交えながら、詳細に論述しています。

特に注目すべきは、キケロがアリストテレスの論理重視の立場に対し、より広範な教養と、人間性を重視した点にあります。彼は、理想の弁論家とは、単に論理的な思考力に優れた人物ではなく、歴史、哲学、文学など、幅広い知識と教養を身につけ、人間の心理や倫理にも通じた、真の意味での「人間通」であるべきだと主張したのです。

キケロは、このような理想の弁論家像を体現した人物として、古代ギリシャの政治家であり将軍であったペリクレスを挙げ、彼の雄弁術が、単なる技術ではなく、深い教養と人間性に基づいた、人々の心を動かす力を持っていたことを強調しています。

「弁論家について」を読むことは、アリストテレスの論理的な弁論術を補完し、より実践的で人間味あふれる雄弁術を学ぶための貴重な機会を与えてくれるでしょう。キケロの思想に触れることで、単なる言葉の技巧を超えた、雄弁術の本質、そして人間の心を動かすコミュニケーションの真髄へと迫ることができるはずです。

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