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アリストテレスの動物誌の対極

## アリストテレスの動物誌の対極

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動物誌に対置される近代分類学の金字塔:リンネ「自然の体系」

アリストテレスの『動物誌』は、古代ギリシャにおける観察に基づいた画期的な動物学書であり、中世ヨーロッパにも多大な影響を与えました。しかし、近代科学革命を経て、自然に対する理解は大きく変容しました。その象徴的な転換点に位置するのが、カール・フォン・リンネによる『自然の体系』(Systema Naturae)です。

『動物誌』が、動物の形態や習性を詳細に記述しながらも、経験に基づいた体系化を指向していたのに対し、『自然の体系』は、生物を階層的に分類する体系的な枠組みを提示しました。リンネは、生物を共通の特徴に基づいて種に分類し、さらに上位の分類群である属、綱、目、綱へとピラミッド状に配置しました。この二名法と階層分類という革新的な手法は、近代生物学の基礎を築き、今日の生物分類学にも受け継がれています。

アリストテレスは、動物を「血を持つ動物」と「血を持たない動物」に大分類し、さらに、陸上動物、水中動物、飛行動物といった生活環境による分類も試みました。一方、リンネは、形態的な類似性に基づいて分類を行い、例えば、ヒトを類人猿と同じ目に分類しました。これは、当時としては非常に大胆な発想であり、人間中心主義的な自然観からの脱却を象徴するものでした。

『動物誌』が、自然全体における動物の位置付けを考察する哲学的な傾向を持っていたのに対し、『自然の体系』は、客観的な観察と記述に基づいた、より実証的なアプローチを採用しました。リンネの業績は、近代生物学の出発点となり、その後のダーウィンによる進化論にも大きな影響を与えました。

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