アリストテレスのニコマコス倫理学を面白く読む方法
現代語訳を選ぶ
古代ギリシャ語で書かれた原典は、現代人にとってハードルが高いと言わざるを得ません。幸いなことに、ニコマコス倫理学はこれまで幾度となく翻訳され、現代日本語版も様々な出版社から出版されています。分かりやすい現代語訳を選ぶことで、内容理解を格段に進めやすくなります。哲学書に馴染みがない場合は、注釈が充実したものを選ぶと、アリストテレスの思考をより深く理解する助けになるでしょう。
対話形式で読み進める
ニコマコス倫理学は、アリストテレスが息子ニコマコスに宛てた倫理学講義録という形式を取っています。そのため、まるでアリストテレスと対話をしているかのように、問いかけを意識しながら読み進めると、より深く内容を理解することができます。例えば、「幸福とは何か?」という問いに対して、自分ならどう答えるかを考えながら読み進めてみましょう。アリストテレスの主張と自分の考えを比較することで、新たな発見があるはずです。
具体的なエピソードと結びつける
勇気、節制、正義など、抽象的な概念が続くニコマコス倫理学ですが、具体的なエピソードと結びつけることで、より身近なものとして捉えることができます。例えば、「勇気」について考える際に、歴史上の偉人や身近な人物の行動を参考にしたり、自分が実際に直面した困難な状況を思い浮かべたりしてみましょう。抽象的な概念を、具体的なイメージに置き換えることで、理解が深まります。
現代社会との関連性を考える
書かれてから2000年以上経った今もなお、色褪せない普遍的な価値観を提示している点が、ニコマコス倫理学の魅力の一つです。現代社会が抱える問題や、自身の仕事や人間関係に、アリストテレスの倫理観を当てはめて考えてみましょう。例えば、SNS社会におけるコミュニケーション、AI技術の発展と倫理、グローバル化が進む中での多様性など、現代的なテーマについて、アリストテレスならどのように考えるのか?という視点を持つことで、古典が現代に蘇ります。