アリストテレスのニコマコス倫理学の案内
ニコマコス倫理学とは?
ニコマコス倫理学は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスによって書かれた倫理学に関する著作です。哲学史上最も影響力のある作品の一つとされ、今日でも広く読まれ、研究されています。
内容
倫理学は、人間の幸福(エウダイモニア)とは何か、どのようにすれば幸福な人生を送ることができるのかを探求します。アリストテレスによれば、人間の幸福は、「徳」に従って生きることで達成されます。
徳とは何か?
アリストテレスは、徳には知性的徳と倫理的徳の二つがあるとしました。知性的徳は、知性や理性によって培われる徳であり、知恵、判断力、思慮深さなどが含まれます。倫理的徳は、習慣や訓練によって培われる徳であり、勇気、節制、正義、寛大さなどが含まれます。
中庸の徳
アリストテレスは、倫理的徳は、過剰と不足の中間にある「中庸」であるとしました。例えば、「勇気」は、無謀(過剰)と臆病(不足)の中間に位置する徳です。
幸福な人生
アリストテレスによれば、幸福な人生とは、徳に従って生き、理性に従って行動することです。彼は、人間は理性を持つ動物であるため、理性に従って生きることは自然なことであると考えました。
構成
ニコマコス倫理学は、全10巻から構成されています。各巻は、特定のテーマについて論じています。例えば、第1巻は幸福について、第2巻は徳について、第3巻は意志について、などです。