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アリストテレスのニコマコス倫理学のテクスト

アリストテレスのニコマコス倫理学のテクスト

ニコマコス倫理学の概要

『ニコマコス倫理学』は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスによって書かれた倫理学に関する著作です。全10巻から成り、人間の幸福(エウダイモニア)を究極目的とし、それを実現するために必要な徳(アレテー)について論じています。

主要なテーマ

本書における主要なテーマは以下の点が挙げられます。

* **幸福(エウダイモニア)**: アリストテレスは、人間の行為の究極目的は幸福であると主張します。幸福とは、単なる快楽や名誉ではなく、魂がその機能を十分に発揮し、充実した状態を指します。
* **徳(アレテー)**: 幸福を実現するためには、徳が必要不可欠です。徳は、知性的徳と倫理的徳の二つに分けられます。知性的徳は、知性や理性によって獲得される徳であり、倫理的徳は、習慣や訓練によって獲得される徳です。
* **中庸(メソテース)**: 倫理的徳は、感情や行動における「過剰」と「不足」の中間に位置する「中庸」を保つことによって獲得されます。例えば、勇気は「臆病」と「無謀」の中庸です。
* **正義(ディカイオスネー)**: 正義は、他者と適切な関係を築くための徳です。分配的正義と矯正的正義の二つに分けられます。
* **友情(フィリア)**: 友情は、幸福な人生を送る上で重要な要素です。アリストテレスは、有用性、快楽、徳に基づく三種類の友情を論じています。
* **知恵(フロネーシス)**: 知恵は、倫理的徳を正しく実践するために必要な知性です。状況に応じて、適切な行動を選択することを可能にします。

構成

『ニコマコス倫理学』は、以下の10巻で構成されています。

* **第1巻**: 幸福とは何か、人間の行為の目的について
* **第2巻**: 倫理的徳とは何か、中庸について
* **第3巻**: 意思、選択、責任について
* **第4巻**: 勇気、節制などの倫理的徳について
* **第5巻**: 正義とその種類について
* **第6巻**: 知性的徳、特に知恵について
* **第7巻**: 快楽、自制、不自制について
* **第8巻-第9巻**: 友情の種類、友情の重要性について
* **第10巻**: 幸福と観想的生活について

影響

『ニコマコス倫理学』は、西洋倫理学の古典として、その後の倫理思想に多大な影響を与えました。特に、幸福を目的とする目的論的な倫理観、徳倫理学の基礎、中庸の概念などは、現代倫理学においても重要なテーマとなっています。

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