## アポロドロスのギリシア神話の話法
###
簡潔で要約的な語り口
アポロドーロスは、物語を詳細に描写するのではなく、出来事や系譜を簡潔にまとめることに重点を置いています。 感情描写や登場人物の心理描写はほとんどなく、淡々とした客観的な視点で物語が進行します。これは、膨大なギリシア神話を網羅的にまとめることが目的であったためと考えられます。
###
散文で記述された物語
ホメロスなどの叙事詩に見られるような韻律や詩的な表現は用いられていません。装飾を排した簡潔な散文で物語が語られるため、現代の読者にとっても理解しやすい点が特徴です。
###
複数の資料を統合した記述
アポロドーロスは独自の解釈を展開するのではなく、先行する詩人や歴史家、劇作家など、複数の資料を参考に物語を構成しています。そのため、異なる資料間で矛盾が生じる場合もありますが、アポロドーロス自身は特定の見解に偏ることなく、複数の説を併記する形で提示しています。
###
系譜を中心とした構成
ギリシア神話において複雑に絡み合う神々や英雄たちの系譜を整理し、分かりやすく提示することに力が注がれています。 登場人物の誕生から死までを時系列に沿って記述するのではなく、親子関係や血縁関係を軸に物語が展開される点が特徴です。