## アポロドロスのギリシア神話の思索
### アポロドロスのギリシア神話とは
「アポロドロスのギリシア神話」は、紀元2世紀頃に編纂されたとされるギリシア神話の集成です。アポロドロスという人物によって書かれたとされていますが、このアポロドロスが誰なのかは正確には分かっていません。一説には、紀元前2世紀に活躍したアテネの文法学者アポロドロスと考えられていますが、確証はありません。
### 内容と特徴
本書は、天地創造からトロイア戦争後の英雄たちの帰還まで、ギリシア神話の主要な物語を網羅しており、簡潔で分かりやすい散文で記述されているのが特徴です。
物語は、ゼウスを頂点とするオリュンポス十二神を中心に展開され、英雄たちの冒険や恋愛、神々との関わりなどが描かれています。
### 史料としての価値
「アポロドロスのギリシア神話」は、現存する最古のギリシア神話集成の一つではありませんが、ヘシオドスの「神統記」やホメーロスの叙事詩など、より古い時代の文献を参照しており、失われた文献の情報を伝える貴重な史料となっています。
### 影響と研究史
中世以降、長らく忘れられていた本書は、16世紀に再発見され、以降、ギリシア神話を知るための重要な文献として、広く読まれるようになりました。
現在も、古典学者たちによって、その成立過程や史料的価値、文学的特徴など、様々な角度からの研究が進められています。