アポロドロスのギリシア神話の原点
アポロドロスの正体
現存する「ギリシア神話」の作者が、紀元2世紀のアテナイの文法学者アポロドロスの作であるという確証はありません。
現存する写本には、作者は「アテナイのアポロドロスの息子、アポロドロスの「年代記」の抜粋」と記載されています。
しかし、このアポロドロスが紀元2世紀の文法学者と同一人物であるという確実な証拠はありません。
成立年代
「ギリシア神話」の成立年代は、作品内で引用されている他の文献や、作品自体が他の文献に引用されているかどうかの分析から推測されています。
しかし、正確な成立年代を特定する決定的な証拠はありません。
現存する写本
「ギリシア神話」の写本は、9世紀から16世紀の間に作成されたものが存在します。現存する最古の写本は9世紀のもので、パリのフランス国立図書館に所蔵されています。
これらの写本は、全て原本からの写本ではなく、長い歴史の中で欠落や改変が加えられている可能性があります。
「ギリシア神話」の目的
「ギリシア神話」の執筆目的は明示されていません。
しかし、その内容から、ギリシア神話を体系的にまとめ、当時の知識階級にわかりやすく解説することを目的としていた可能性が考えられます。
「ギリシア神話」の構成
「ギリシア神話」は、天地創造からトロイア戦争後の英雄たちの物語まで、ギリシア神話の主要な物語を時系列順にまとめたものです。
全3巻で構成されており、第1巻と第2巻はゼウスの系譜を中心に、第3巻はヘラクレスの物語を中心に語られています。