## アウグスティヌスの神の国の表現
神の国の内的な実在
アウグスティヌスは、彼の著作『神の国』の中で、目に見える地上の国と対比させて、神の国の概念を展開しています。
神の国の最も重要な側面の一つは、その内的な、つまり精神的な実在です。
アウグスティヌスは、神の国は空間的な場所ではなく、神の愛と正義によって支配される人々の集まりであると主張しました。
神の国の市民の資格
アウグスティヌスによれば、神の国の市民になる資格は、信仰、恵み、そして愛によって決まります。
彼は、真の信仰は神への愛と善行への欲求を生み出すと信じていました。
神の国に属する人々は、神の恵みによって変えられ、神の意志に従って生きることを切望します。
二つの都市の対比
アウグスティヌスは、神の国と地上の国を対比させることで、神の国の性質をさらに明らかにしています。
地上の国は、自己愛、貪欲、そして権力への渇望によって特徴付けられます。
一方、神の国は、愛、謙遜、そして他者への奉仕を重視します。
歴史における神の国の展開
アウグスティヌスは、神の国は歴史を通じて展開していくと見ています。
彼は、この過程はアベルとカインの物語から始まり、教会の設立とキリストの再臨を経て完成すると説明しました。
神の国の象徴表現
アウグスティヌスは、『神の国』の中で、さまざまな象徴を用いて神の国の概念を説明しています。
例えば、彼は教会を「巡礼者」と呼び、神の国が完全には実現していないことを示唆しています。
また、彼は神の国を「天のエルサレム」というイメージで表現し、その永遠の栄光と完成を強調しています。