アウグスティヌスの神の国のメッセージ
アウグスティヌスと「神の国」
ヒッポのアウグスティヌス(354-430年)は、キリスト教思想の歴史において最も影響力のある神学者の一人であり、その著作は後の神学、哲学、政治思想に多大な影響を与えました。「神の国」は、アウグスティヌスの代表作とされ、413年から426年にかけて執筆されました。この壮大な著作は、当時のローマ帝国を揺るがしていた異教徒からの批判、特に410年のローマ略奪がキリスト教のせいであるという非難に応答するために書かれました。
「二つの国」の概念
「神の国」の中心的なテーマは、「二つの国」の概念です。アウグスティヌスは、この世には、異なる愛によって特徴づけられる二つの国、すなわち「神の国」と「地の国」が存在すると主張しました。
* **神の国:** 神を愛し、神の意志に従うことを求める人々の共同体。
* **地の国:** 自己愛に支配され、神の代わりに世俗的なものを追求する人々の共同体。
アウグスティヌスは、これら二つの国は完全に分離されているのではなく、この世において混在していると説明しました。重要なのは、個人がどちらの国の市民権を持っているかであり、それは彼らの愛の対象によって決定されます。
歴史観と神の摂理
アウグスティヌスは、「神の国」において歴史を神の摂理の観点から解釈しました。彼は、歴史は神の計画に従って展開しており、神の国は最終的に勝利を収めると主張しました。ローマ帝国の衰退や蛮族の侵入といった当時の混乱は、アウグスティヌスにとって、神の裁きと新しい時代の到来を示すものでした。
アウグスティヌスの歴史観は、キリスト教徒に希望を与え、この世の苦難にもかかわらず、神が歴史を支配しておられ、最終的な勝利は神の国にあると確信させました。
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