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アウグスティヌスの神の国に影響を与えた本

アウグスティヌスの神の国に影響を与えた本

プラトンの対話編

アウグスティヌスは、キリスト教に改宗する前に、新プラトン主義の哲学に深く傾倒していました。新プラトン主義は、古代ギリシャの哲学者プラトンの教えを解釈し、発展させた哲学体系です。特に、プラトンの著作である「対話編」は、アウグスティヌスの思想に大きな影響を与えました。

「対話編」は、ソクラテスとその弟子たちの対話形式で書かれた哲学書です。そこでは、正義、美、善、魂の不死など、様々な哲学的なテーマが議論されています。アウグスティヌスは、「対話編」を読むことで、目に見える物質世界を超えた、永遠で不変のイデアの世界の存在を知りました。そして、このイデアの世界こそが真の実在であり、人間の魂は本来、このイデアの世界に属するものだと考えるようになりました。

このプラトン哲学の影響は、「神の国」の根底にも色濃く反映されています。アウグスティヌスは、「神の国」において、地上における現実の国家と、永遠に続く神の国の二元論を展開します。地上の国家は、罪深い人間の欲望によって支配された、腐敗し、滅びゆく存在です。一方、神の国は、神の愛と正義によって統治された、永遠で完全な世界です。

アウグスティヌスは、プラトンのイデアの世界の概念を、キリスト教的な文脈に置き換えることで、神の国という理想的な世界像を描き出したと言えます。

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