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アウグスティヌスの神の国と時間

## アウグスティヌスの神の国と時間

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時間とは何か?

アウグスティヌスにとって、時間は神によって創造されたものであり、世界創造以前には時間は存在しませんでした。彼は『告白』の中で、時間を
**「過去・現在・未来という三つの時間があるように思えるが、厳密に言うと、過去はもう存在しないし、未来はまだ存在しない。だから、現在だけが存在すると言えるのではないだろうか」**
と考察しています。

しかし、現在という瞬間はあまりにも短く、捉えどころがありません。現在という瞬間は、過去から未来へと絶えず流れ去っていくからです。アウグスティヌスはこの現在について、
**「現在から過去に向かって延びているのは過去の現在のありようで、現在から未来に向かって延びているのは未来の現在のありようである」**
と説明しています。 つまり、過去も未来も、現在という尺度を通してしか認識できないのです。

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魂と時間

では、私たち人間はどのように時間を認識しているのでしょうか。アウグスティヌスは、時間を認識するのは人間の魂であると考えました。 彼は魂の働きの中に、記憶・注意・期待という三つの要素を見出します。

* **記憶**:過去を現在に留め置く働き
* **注意**:現在に意識を集中させる働き
* **期待**:未来を現在に先取りする働き

私たちはこの三つの働きによって、過去・現在・未来という時間の流れを経験します。時間そのものは捉えどころのないものですが、魂の働きを通して時間を認識し、その中で生きているのです。

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永遠なる神

時間の中に生きる人間とは対照的に、神は永遠に存在します。アウグスティヌスにとって、永遠とは時間の流れの外にある、不変で完全な状態を指します。

『告白』の中で、彼は神への祈りを込めてこう述べています。
**「あなたの年には終わりがない。あなたの永遠の現在は、私たちの過去の全てよりも古く、私たちの未来の全てよりも後まで続く」**
神は時間を超越した存在であり、永遠の「今」に生きているのです。

アウグスティヌスの時間論は、時間という概念に対する哲学的な問いだけでなく、人間と神の relationship を理解する上でも重要な意味を持ちます。彼は時間という枠組みを通して、人間の有限性と神の無限性を対比させ、永遠なる神への信仰を深めていったのです。

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