## アウグスティヌスの告白の面白さ
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古代ローマ人のリアルな人生観が覗ける
「アウグスティヌスの告白」は、キリスト教に改宗したアウグスティヌスが、自身の半生を振り返りつつ、神への愛と信仰を綴った作品です。397年から400年頃に書かれたとされ、古代ローマ末期の社会や文化、人々の思想を知るための貴重な資料となっています。
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回心に至るまでの葛藤が赤裸々に描かれている
アウグスティヌスは、キリスト教を信仰する母親モニカを持つ一方で、青年時代は放蕩な生活を送っていました。当時の異教やマニ教にも傾倒し、真実を求めて模索を続けます。その内面における葛藤は克明に記されており、読者はまるで彼自身の心の揺れ動きを追体験するかのよう。真実を求め続けるアウグスティヌスの姿は、現代の読者にとっても共感を呼ぶものがあります。
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哲学的・神学的思索が展開される
本書は単なる自伝ではなく、自由意志や神の恩寵、時間と永遠など、哲学的・神学的なテーマについても深く考察されています。特に、時間の本質についての考察は有名であり、後の西洋思想にも大きな影響を与えました。現代の読者にとっても、普遍的なテーマについて改めて考えさせられる、示唆に富んだ内容となっています。
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洗練された文章表現
「アウグスティヌスの告白」は、ラテン文学史上の傑作の一つとされ、その洗練された文章表現も魅力の一つです。韻律を重視した文体や、比喩や隠喩を駆使した表現は、読者を作品世界に引き込み、深い感動を与えます。
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。