## アウグスティヌスの告白の評価
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文学作品としての評価
アウグスティヌスの『告白』は、その自伝的な内容だけでなく、高度な文学的技巧を用いた作品としても評価されています。
* **独創的な構成**: 年代順に沿って記述する一般的な自伝とは異なり、『告白』は過去の出来事を現在における神の視点から振り返り、内省と対話形式を交えながら展開していくという独創的な構成を採用しています。
* **鮮やかな比喩表現**: 自身の罪深さを描写する際に用いられる「甘すぎる蜜蝋」や、神への道を阻むものを指す「曲った木片」といった比喩表現は、アウグスティヌスの心の葛藤を鮮やかに描き出しています。
* **詩的な散文**: 韻律やリズムを意識した文章は、ラテン語の美しさを最大限に引き出し、音楽的な響きを生み出しています。
これらの要素が相まって、『告白』は文学作品として高い評価を受け、後世の作家たちに多大な影響を与えてきました。
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哲学思想における評価
『告白』は、アウグスティヌスの思想を知る上で重要な著作であり、哲学史にも大きな影響を与えています。
* **新プラトン主義の影響**: 本作では、物質世界を超越したイデア界を説く新プラトン主義の影響が色濃く見られます。特に、真の存在である神へと魂が回心していく過程は、新プラトン主義の思想に基づいています。
* **時間論**: 時間の本質に関する考察は、『告白』における重要なテーマの一つです。アウグスティヌスは、時間は客観的に存在するものではなく、人間の内的意識における経験であると主張しました。
* **自由意志と神の恩寵**: 人間は自由意志に基づいて行動できるのか、それとも神の恩寵によって救済されるのかという問題は、『告白』における中心的テーマの一つです。アウグスティヌスは、人間の自由意志は堕落によって弱まっているため、神の恩寵なしに救済に至ることはできないと論じました。
これらの哲学的テーマは、後の西洋思想に多大な影響を与え、中世から現代に至るまで議論の的となっています。