アウグスティヌスの告白の構成
構成
アウグスティヌスの告白は、全13巻から成る、著者アウグスティヌスの回心に至るまでの自伝と、聖書の創世記の注釈、そして時間論、記憶論などを含む哲学的思索が展開される複雑な構造を持つ作品です。
各巻の内容
各巻の内容は以下の通りです。
* **第1巻 – 第9巻:** アウグスティヌスの回心までの自伝
* **第1巻:** 幼年時代の罪の意識、神への呼びかけ、言語習得について
* **第2巻:** 少年時代の放蕩、盗みについて
* **第3巻:** カルタゴでの修辞学の学習、恋愛、マニ教にのめり込んでいく様子
* **第4巻:** 修辞学者としての成功、愛人と息子、友の死による悲しみ
* **第5巻:** ローマへの転居、マニ教の司教ファウストゥスとの出会いと失望
* **第6巻:** ミラノでのアンブロシウス司教との出会い、新プラトン主義哲学への傾倒
* **第7巻:** 新プラトン主義を通して神への理解を深めるも、キリスト教への改宗には至らない葛藤
* **第8巻:** シンプリキアヌスから聞いたポンティキアヌスとヴィクトリヌスの回心の物語、パウロ書簡の言葉に打たれる、回心の決意
* **第9巻:** 洗礼、母のモニカの死
* **第10巻 – 第13巻:** 回心後の思索
* **第10巻:** 記憶について、自己認識について
* **第11巻 – 第13巻:** 聖書の創世記の注釈、時間論
特徴
アウグスティヌスの告白は、単なる年代記的な自伝ではなく、過去の出来りを神の救済の視点から振り返り、解釈している点が特徴です。 また、自らの内面を赤裸々に告白することで、人間の罪深さと神の愛の偉大さを対比的に描き出しています。